痛風が爆発した話を書くよ。~瞬間、痛み、重ねて~

健康

私のブログ、現状でアクセス件数は全然ございません。

ですが、こんな過疎地であるこのブログにたどり着き、この記事を読んでいる人はきっと痛風仲間、マイブラザーであろうと思います。

私も痛風発作を経験したのですが、あの劇的な痛み、脳のすべてのリソースを痛みに占拠されるような絶望感、この症状はきっと万人にドラマを与えているのではないかと思うのです。

私もそんな痛みを味わった一人として、この記憶が鮮明なうちに記録を残しておこうと思い、そっと筆を執るのでした。

ちなみに、この記事はそもそも痛風にご縁がある方が読んでいるだろうという想定から、そもそも痛風って何?とか、尿酸って何?みたいな話はスキップします。ググればいくらでも出てくるからね。体験談とか自分の話をメインに進めていきます。

私の尿酸値傾向と体質

そもそもの私の尿酸値ですが、実は若いころからずっと高かったです。

尿酸の基準値が男性で4.0~7.0mg/dlとされるのに対して、私の場合は20代の頃から6.5~8.5mg/dlあたりをずっとキープ(?)していました。

これは食べ物の傾向が変わっても、酒の量が変化しても、体重の増減があっても概ねこの数値を保っていることから、体質として尿酸が高いのだと思います。高い状態で安定している、というあんまりよくない状態ですね。

これが、1年ほど前の健康診断で10.3mg/dlを叩き出しました。これはさすがにちょっと焦り始めました。

お医者さんからも病院へ行くよう指示を受け、かかりつけの病院で高尿酸血症との診断と、薬の処方を受けました。尿酸値7超えたら高尿酸血症と言ってもいいレベルのようなので、これまでも高尿酸血症ではあったんだと思いますが、お医者様からお墨付きをもらった形ですね。

処方された薬は「ユリス」というもので、身体から排出された尿酸の再吸収を阻害して、尿から排出しやすくする効果があるそうです。端的に言うと、尿酸値を下げる効果が期待できる薬。

0.5mgを1日1錠からスタートして、痛風発作発生時点では1mgを1日1錠飲んでいた状況でした。

尿酸値は急激に下げすぎても痛風発作につながるので、お医者さんに診てもらいながら徐々に量を増やしていく必要があるのですね。

これまでの痛風発作疑惑

そんなこんなで高尿酸血症の治療を始めた私ですが、実は「これもしかして痛風発作?」と思った症状はこれまでにも出たことがありました。

ちなみに、出ていた場所は右膝です。

膝がシクシク痛くなり、歩くことが困難になる感じです。

整形外科で診察を受けましたが、レントゲンでも靭帯や骨に悪いところは見当たらず、炎症ですかねー、ぐらいの感じで痛み止めの湿布をもらって終わりになっていました。

当時は体重が増えたタイミングでもあったので、「これだからデブはイヤだねぇ」と思ってダイエットを誓った程度だったのですが、体重が増える前も同様の症状が出ていたことがあり、どうもこの痛み自体が痛風発作だった可能性もあります。

ただ、膝の痛風発作は足の指先などの頻発部位と比べるとレアらしく、そういう情報も手伝って痛風発作説には意識から少し外していた自分がいました。

痛風発作前日

ここから、痛風発作(っぽい痛み)が起きる前日の動きです。

普段と違った点としては、

  • この数日前から、ユリスが切れて薬を飲んでいなかった
  • 自宅で酒を盛大に飲んでいた(ハイボールのロング缶を4本)
  • 普段は水分を頻繁に摂るようにしているが、この日はろくに水分を補給せずに寝落ちした

この3点ですかね。薬は尿酸の蓄積にどれぐらいクリティカルだったのかわかりませんが、2点目・3点目は血液ドロドロにするための儀式みたいな過ごし方なので、明確にアカンことしていたと思います。

酒を飲んでいた記憶と翌日以降の痛みが紐づいたことが、その後の禁酒生活へとつながります。

このあたりの話は先日の記事ご参照くださいませ。

AM8:00 痛風発作の兆候発生

さて、この飲酒翌日の朝です。右足の親指付け根に違和感が出ました。

歩いたりすると、少し鈍い痛みが走るような状況です。全然耐えられない痛みではない。

発生している場所が典型的な痛風発作が起きる場所なので、これは痛風症状だろうという予感はありました。

「フフッ、これが噂に聞く痛風発作というやつか。まぁ、こんなもんか。」

そんな余裕をブッこいてたよね。当時の自分をボコボコにしたい。

大した痛みではないやと普通に会社に出勤しました。

PM6:00 痛みのクレッシェンド

じわじわとその痛みは鋭さを増し、残業して夜に帰宅するころには足を引きずるレベルにまでなっていました。

体重を右足にグッとかけるとズキィッ!となるので、体重をかけないように左足に急いで体重をシフトさせる感じです。

「まぁ、ここから徐々に治まるでしょ。週末に、ユリスもらいに行かなきゃなぁ。」

そう思いながら眠りについたのでした。

AM3:00 痛風大爆発マジ卍ヤバ谷園発生

夜半。時間は深夜3時ごろだろうか。異常な痛みに叩き起こされる。痛風大爆発マジ卍ヤバ谷園発生です。語彙は即死しました。

なんだ??何が起きた???

日中はズキズキとした鈍い痛みだったものが、エグいギッザギザのナイフを突き刺し、ねじり込むような痛みになって僕の足先にいらっしゃるではありませんか。

痛い!痛すぎる!!!なんじゃこりゃああああああ!!!

眠気はあっという間に飛び去り、この痛みを何とかせねばと冷凍庫へアイスノンを取りに行こうとします。が、ダメ。

痛すぎて立ち上がるという動作ができません。左膝を下にしてグッと身体を起こそうにも、どうやっても右足先がベッドに当たる。そして悶絶。自分は今どういう生き物になっているんだ。生まれたての赤ん坊よりも動けてないぞこれ。

うああああああ、ギ、グギギィ、ふぅー、ふぅー、ああああああ・・・・

何とか起き上がろうと身体を動かすたび、尋常じゃない痛みに身体が突き抜かれ、無意識に奇声がこぼれる。

明らかに常軌を逸した状態の私に気付いた妻が起きてくれたので、氷嚢を作ってもらうようお願いしました。

氷も、袋やタオル越しに患部を冷やすような感じではなく、氷と水を入れた袋に直接足を突っ込んで、痛覚を麻痺させることでどうにか正気を取り戻すことができました。

「どうしよう、この状態でどうやって会社に行けばいいんだろう・・・

と涙目で語る私に、

「なんで会社なのよ。病院行きなさいよ。」

という真っ当な指摘をしてくれた奥さん。ありがとう。社畜マインドが脳神経を支配しているので、仕事優先の思考に何の違和感も覚えなかったワイ。

足を冷やしながら上司や部下にメールを打ち、会社に遅れる旨の連絡をして病院が開くのを待ちました。この病院が開くまでの数時間が永久(とわ)のように感じられたよね。

本当に辛かった。マンガ読んで過ごそうと思ったけど、痛すぎて本なんか頭に入らないし、ネットで痛風発作時の対応を調べて掛布団を積み上げて足を高くしてみたりしながら過ごしました。

ちなみに足を高くしても痛みの軽減効果はあまり感じられなかった。軽減しているのかもしれないけど、そもそもの痛み自体が己のキャパシティを上回り過ぎていて、痛みの向こう側が微減している程度のように感じられました。痛風発作の痛みは絶望の向こう側に至るのだよ。

AM8:00 大きな病院へGo!

さて、病院が開く時間になりました。狙いを定めたのは近所にある大きな病院です。その距離300メートル。かかりつけ医よりも近い。より精密な検査も期待できるだろう。

この頃には足はすっかり腫れあがり、つま先が人とリンゴの合の子みたいになっています。

そうなれば自明ですが、靴が履けません。普通のスニーカーの靴紐を外しても、足先が通らない。

仕方なく、サンダルを指先に引っ掛けるような形で外出の準備を整えました。(整ってない)

サンダルは引っ掛けているだけなので、足の裏は容赦なく地面に触れます。汚れます。本当は靴下ぐらい履きたいですが、靴下なんか痛すぎて通せません。よってこのスタイルしか取れないのです。

もしくはコンビニのビニールを足にかぶせて移動するという方法も考えましたが、もうここまでくれば見た目と足の汚れのトレードオフです。どうでもよくなる。すぐに足先開放できるサンダルスタイルにしました。

さて、これで準備は完了です。病院へ向かいます。嘘です。痛すぎて向かえません。

1歩進むのに、妻の肩を借りながらそーっとそーっと踏み出しながら歩くのが限界です。これで300メートル進むころには本日の初診受付が終了してしまうかもしれません。

背に腹は代えられないので、タクシーを拾います。ヘイタクシー!

運転手さん「どちらまで?」

「ふぅー、ヒィー、そこの角を曲がった〇〇病院までお願いします・・・!(涙目)」

運転手さん「(察し)アッハイ」

短距離にも程があるよね。本当に申し訳ない。タクシー利用の自己最短距離記録を樹立しました。

病院では待合室で長い時間を過ごしました。電話可能なスペースがあったので、そこでイヤホン伸ばして会社のWeb会議に出る(発言できないんでROM)など、社畜スピリットは死んではいませんでした。

検査の流れは、
①尿検査 → ②血液検査 → ③体温・血圧測定
みたいな流れです。③の体温は診察前に受けさせられるやつですが、ここで熱があることが発覚。

痛みが酷すぎて、熱が出たんですよ。痛風ヤバい。

熱があると、発熱外来に回されるのですが、とてもじゃありませんが問診や新型コロナの検査など新たに回される心と身体の余裕がありません。

というようなことを涙目で看護師さんに話して、先生と相談の上、別室(隔離可能なエリア)で待合して、その後診察という流れで受け付けてもらえました。

診察の結果は、案の定痛風発作です。一晩以上痛風症状を噛みしめて過ごしているのでもう何の驚きも無い。

ちなみにこの時に処方された薬はプレドニゾロンというステロイド(副腎皮質ホルモン)のお薬でした。

初の痛風発作(と思われる)なので非ステロイド系の手当てとかあるのかと思いましたが、必ずしもそういうわけでは無いのですね。

とりあえずは薬ももらったので、これを飲みつつ痛みが過ぎ去るのを待つことにしました。

かかりつけ医で再度診断

大きな病院で診察を受けてから一週間ほど経過。まだ全然痛い。

痛風発作発症の4日後あたりに営業の外回りがあったり、足を酷使したのもよくなかった。

ユリスも無くなって、痛風発作明けから治療再開するためにもと思いかかりつけのクリニックへ行くことにしました。

そこでは大きな病院での血液検査の結果なども見せつつ、痛みが引かないことなどを相談して改めて薬を追加処方してもらいました。(もちろん、大きな病院で処方済の薬などもお薬手帳で説明)

追加で処方されたのが、コルヒチンロキソニンです。

この処方で薬を飲み始めてから一気に状況は良くなってきました。

コルヒチンって、痛風の兆候を感じた後の予防にも使える(コルヒチン・コントロールと言うらしい)ようなので、次回の診察の時にはお守りがてらで改めて処方してもらうと心に誓ったのでした。コルヒチン・コントロールしてぇ・・・。

痛風の症状が治まるまでに要した期間

さて、私の場合ですが痛風の痛みの経過としては

  1. わずかな鈍痛
  2. 体重かけると痛い
  3. 風が吹かなくても痛い激痛モード
  4. 腫れが残った状態(痛み大)
  5. 腫れが残った状態(痛み中~小)
  6. 腫れが収まった状態

こんな流れを辿ったわけですが、3のピークから、5の小康状態に辿り着くまで4週間ぐらいかかりました。長すぎる。

足の腫れが治まって、靴を履くのに違和感が無くなったのがそこからさらに2週間ぐらいですかね。
腫れが完全に引く頃には、中心部で熱を持つような痛みの芯みたいなものも軽快していました。

ということで、私の場合は痛風発作1発で概ね1ヶ月半ぐらいの痛みと不自由を覚悟しなければいけないということが体験としてわかりました。

しかも、痛風発作は繰り返すたびにその痛みが強くなっていくそうです。

いや、初回でも泣くほど痛かったんですけど。これ以上痛くなったらショック死するんじゃないか。マジで。

痛風は酷く私の心に傷を植え付けましたが、健康を蔑ろにしているとこういう目に遭うんだぞ、ということを思い知らされた出来事でした。

それがこの数か月の健康志向につながっていくのですよ・・・。

このブログを見ていて、あまつさえこんな長文を最後まで読んでいる人はきっと痛風ブラザーに違いありません。もしくは、発作に怯える高尿酸血症患者さん。

発作経験者の方・・・
同情します。なめててすみませんでした。痛風マジで無理・・・しんどい・・・。

痛風発作未経験の方・・・
この世には経験した方がいいことと、しなくてもいいことがあります。この痛さは明らかに経験しない方が幸せな類の痛みです。この幸せを長く続けるためにも、健康には引き続き気を付けてください・・・。俺の轍を踏むんじゃないぞ・・・。

経験しない方が幸せですが、味わってしまったもんは仕方ないので、私としては何とかこの痛みを学びとして健康な身体と人生を取り戻す決意を固めている所存です。

禁酒・禁煙がんばるよー。

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